ライトファンから見たアーセナル

素人が偉そうにアーセナルの戦術を語ります

エジルとミキタリアンの違い

 エジルとミキタリアンはいずれも高いパス能力を有するプレイヤーですが、そのスタイルは大きく違います。

 エジルの得意とするのは相手の予想の裏をかく、もしくは相手が予期していなかったところにパスを出すことです。一方、ミキタリアンの得意とするのは、相手が対応しきれない判断速度、ボールスピードでピンポイントのパスを出すことです。

 昔からファンタジスタと呼ばれているのはエジルのようなプレイスタイルで、そのパスは見るものを楽しませるエンターテインメント溢れるものだと思います。ヴェンゲル時代のアーセナルは勝負に徹するというよりも魅せるプレイをすることも重視していたように思われ、そんなアーセナルを好きになったファンの多くはエジルのプレイスタイルも好きなのではないでしょうか。エジルの相手の裏をつくというプレイスタイルからすると、エジルの前に複数の味方プレイヤーがおり、パスの選択肢が複数ないと、その威力は激減してしまいます。そのため、エジルはパスの選択肢の少ないサイドでは力を十分発揮できず、中央やや低めでこそそのパス能力を活かせると思います。

 一方、ミキタリアンのプレイスタイルは極めて合理的で、スペースもフリーのプレイヤーも少ない現代サッカーに適したものといえるでしょう。ミキタリアンのプレイスタイルからすればエジルと異なり選択肢の少なさはパス能力の発揮にあまり影響はなく、中央でもサイドでもどこでもそのパス能力を発揮することができると思います。ただし、相手が対応できない瞬時の判断による高速パスは味方にとっても優しくないパスであり、前線の選手には高い反応速度及びミート技術が要求されるでしょう。

8月12日 対マンチェスターシティ戦

アーセナルのフォーメーションは


オバメヤン

ミキタリアン ラムジー エジル

ジャカ グエンドゥージ

ナイルズ パパ ムスタフィ ベジェリン

チェフ


の4231でした。エジルよりもラムジーこそがトップ下にふさわしいと常々思っていたので、これはうれしい配置でした。もっとも試合内容については、終始マンチェスターシティペースで進み、0対2のスコア以上の完敗でした。

 まず守備面においては終始ハイプレスをかけるなどベンゲル時代からの変化が大きく見られた。もっとも、シティはそれを容易に突破しており、今後トップクラスに返り咲くためにはよりプレス方法を進化させていく必要がある。

 攻撃面においては、一見すると、シティのハイプレスに苦しみ、ビルドアップがままならず、ベンゲル時代末期のハイプレスに苦しめられ続けた状況から脱却できていないようにも見えた。しかし、これは相手がハイプレスを最も得意とするチームの一つであるシティだったというのが大きく、中下位クラブ程度のプレスであればボールをもっと前に運べたであろう。

 選手個人においては、ラムジーのトップ下は攻守両面においてそれなりのプレイを見せており、トップ下に適性があることを示してみせた。一方、ミキタリアンはこの試合左サイドで消えていた。ミキタリアンは左サイドではいつも消えてしまっている印象であり、右サイドに固定すべきだろう。また、エジルの右サイドも微妙で、逆足に配置してもゴールを狙うわけではないので、中央で使わないのであれば左サイドでよりシンプルなプレイをさせたほうがいいように思える。そして、オバメヤンはラカゼットが入ると左サイドで使われるが、ドリブル突破できるほどのテクニックはなく、サイド適性は低いと思われる。むしろラカゼットの方が能力的にサイドに向いているようにも思えるので、何度かセンターオにバメヤンで左サイドにラカゼットを試して欲しい。

守備陣ではグエンドゥージが軽率なミスを何度かしていたものの守備では闘い、ビルドアップでは相手を引きつけて前にパスを出すなど攻守に存在感を見せつけた。一方、ジャカはハイプレスをかわすことができず、守備でも存在感はなく、ハイプレス相手ではツーボランチでもその役割を果たすのが厳しいようにみえた。また、チェフはビックセーブを披露しショットストッパーとしてはワールドクラスであることを示したが、足元の技術に難があり、ハイプレスを得意とするチーム相手の場合は短所の方が目立ってしまう。


採点は

オーバメヤン 5.0

ラムジー 5.5

ミキタリアン 5.0

エジル 5.0

グエンドゥージ 5.5

ジャカ 4.5

ベジェリン 5.0

ナイルズ

ムスタフィ 5.0

ソクラテス 5.0

チェフ 5.0


リヒトシュタイナー 5.5

ラカゼット 5.5

トレイラ 5.5

2018-2019シーズン予想

今シーズンの順位予想です。


1マンチェスターシティ

2マンチェスターユナイテッド

3リバプール

4アーセナル

5トッテナム

6チェルシー


 やっぱり昨年度ぶっちぎりのトップだったマンチェスターシティが今シーズンもプレミアリーグを制すると思います。マフレズを補強した上、目立った戦力の低下もないので1位の最有力候補です。

 二位も昨年度同様にマンチェスターユナイテッド。昨年途中に加入したサンチェスがチームにフィットし、ポグバが実力をはっきすればかなり強いと思います。

 三位はリバプール。昨年クロップのサッカーがいよいよ成熟した上、補強も十分したため、もっと上を予想する人が多いですが、各チームのリバプール対策がされるため三位どまりと予想。

 四位は我らがアーセナル。オバメヤン、ミキタリアン、エジルの三人に、ラカゼット、ラムジーの二人を加えた攻撃陣は、ポジションがかぶりすぎではあるものの、プレミアトップクラスのメンツです。これに懸案だった守備陣の的確な補強がされ、エメリによる組織だった守備も期待できるので、チェルシー、トッテナムよりは上にいくことができると信じたいです。

 五位はトッテナムです。昨年は凄かったものの、さすがに補強なしではどうでしょうか。若いメンツが多いので弱体化はしないとの判断もあり得るでしょうが、競争による危機感が選手にないとかつてのアーセナルの二の舞いになってしまうかもしれません。

 六位はチェルシー。監督が決まるのが遅く、移籍市場では失敗したと言えるのではないでしょうか。プリシーズンを見る限り、新戦力のジョルジーニョの才能に疑いはないものの、中盤は比較的選手層が厚く、補強の効果は高くないと思います。そしてクルトワからケパというGKの変更は明らかに戦力ダウンなのではないでしょうか。さらに移籍希望のアザールは、少なくともシーズン後半の新チームとの契約締結後はモチベーションも上がらないような気がします。