タイトな守備を見せるも力負け(2019/11/09 レスター戦)
2019/11/09のアウェイでのレスター戦は、アーセナルが前半タイトな守備をみせたものの、後半67'に先制されてしまうと守備に集中するのが難しくなって追加点を奪われ、2-0で敗れました。Understat.comのxGでも1.37-0.96でアーセナルが負けていました。
フォーメーション
アーセナルはこの試合で下記フォーメーションのとおり3-4-1-2のフォーメーションで臨みました。
バックスリーはプレミアリーグでは今節が今シーズンで初めての採用でした。ツーストライカーシステムは今シーズン5度目(0勝3分2敗)、ツーストライカー+10番のシステムは今シーズン4度目(0勝2分2敗)です。
前節の4-3-1-2からは、怪我のセバージョスが外れたほか、ソクラティス、ティアニーが外れてベジェリン、ホールディング、コラシナツがスターティングイレブンに入りました。ベジェリンはようやく怪我から復帰できて良かったです。ソクラティスが外れたのは今シーズンこれまでビルドアップに難があったからでしょうか。ティアニーが外れたのは、バックスリーであれば、コラシナツの方が適任と考えられたいったところでしょうか。
守備戦術
今節のアーセナルは、ハイプレスを控え、3-4の守備ブロックを作り、エジルがエンディディをマンマークし、二人のストライカーもボールの後ろまで下がって守るという守備戦術をとりました。前半は、非常にタイトな守備だったと思います。アーセナルの最終ラインは低いためハイプレスを控えたのは、中盤の間延びを防止するため良かったと思います。下図のxGでも、前半は、レスターを0.43に押さえてアーセナルが勝っており、アーセナルの守備は成功していました。
ただし、個人的にはディフェンシブサードを4-3守備ブロックだろうと3-4守備ブロックだろうと7人で守るのはアーセナルの守備のメンバー的に無理があると思っており、エメリには素直に4-4守備ブロックにして欲しいです。今季のアーセナルは、オーバメヤンを中盤の守備ブロックに入れないフォーメーションや守り方を採用していますが、エメリはオーバメヤンを中盤の守備ブロックに組み込むのがそんなに嫌なのでしょうか。
攻撃戦術
アーセナルの各選手のポジショニングは下図のとおりです。
アーセナルがカウンターを狙っていたためもありますが、前節は小さくなった前線の選手と中盤の選手との距離がまた広くなっているのが分かりますし、グエンドージとコラシナツがまったく押し上げができていないのが分かります。
一方、下図はレスターのものですが、各選手がほぼ等間隔に位置している上、5レーン理論で重要とされる◇が3つ、さらに△も5つできており、非常に美しい形をしています。
この選手のポジショニングの成熟の差がまさにオフェンス力の差となったのではないかと思います。
選手交代
2点目を取られると、77'にホールディングに代えてぺぺ、80'にトレイラに代えてウィロックを投入しました。いずれも攻撃を強化する目的の妥当な采配だったと思います。交代枠は1名余っていましたが、ベンチのアタッカーにはサカ、マルティネリの若手しかおらず、交代する選手がいないのがアーセナルの選手層の薄さを物語っています。
総括
守備はタイトで良かったと思うので、今回はレスターが強かったと言わざるを得ません。もともとレスターはビッグ6に次ぐ戦力で、今季のアーセナルの主力の放出(ラムジー、モンレアル、ミキタリアン、イウォビ等)に伴い現時点では立場が逆転してしまい、正直、力負けです。ただし、アーセナルは、今後ホールディングやベジェリンがさらに良くなっていくでしょうし、若手が伸びるはずですので、シーズン後半のホームでは勝つことを期待です。
これで12試合終えて、4勝5分3敗の勝点17P、16得点17失点です。これはシーズン38試合だと、54P、51得点、54失点になるペースです。昨シーズンは、70P、73得点51失点でしたので、全てにおいて昨シーズンよりも悪化するペースになります。もっとも、今節みせた守備はタイトで、これを継続できれば勝点も上がると思うので、めげずに頑張って欲しいです。