ライトファンから見たアーセナル

素人が偉そうにアーセナルの戦術を語ります

繰り返される拙攻(2019/10/27 クリスタルパレス戦)

 2019/10/28のホームでのクリスタルパレス戦は、前半9'までにコーナーキックから2点を先取したものの、2点を返され、引き分けに終わりました。Understat.comのxGは1.54-1.78でアーセナルが負けていました。


フォーメーション

 今節のフォーメーションは守備時の配置を重視すれば上記のとおり4-4-2でした。ただし、攻撃時は4-3-3に近い配置となっていました。

 スターティングイレブンにはついにLBティアニーがコラシナツに代わって名前を連ねました。これでRBチェンバース以外はエメリの考えるベストメンバーだったのではないでしょうか。


守備戦術

 クリスタルパレスのサイドアタックを警戒してか、4-4-2の守備ブロックを作って守るという守備戦術でした。プレミアリーグでアーセナルの4-4の守備ブロックを見るのは久しぶりでした。ぺぺとセバージョスの連動性が怪しかったですが、これまで失点が多かった以上、4-2-3-1のまま中盤サイドのスペースを開けて守るより良いと思います(もっとも、今節も2失点しています。)。


攻撃戦術

 ボール奪取からの速攻を基本としていました。Whoscoredによれば、攻撃サイドは右サイド41%、中央26%、左サイド33%でやや右サイドに偏っていましたが、RBチェンバースのクロスは1/7で正確性を欠いており、主観的にもあまり得点の可能性は感じられませんでした。チェンバースはマークを外しきれていないことが多い上、クロスも単調になりがちなので、RBベジェリンの復帰が待たれます。なお、ぺぺは、クロスが5/13であるものの、これはコーナーキックを含めての数字であり、流れの中では良いクロスはほとんどなかったと思います。

 次の図はWhoscoredによるアーセナルの各プレイヤーの平均ポジションです。

 この図からすると、攻撃時に右サイドのぺぺはアタッカーとして前に出て、左サイドのセバージョスはミッドフィルダーとして後ろに残って4-3-3のような形でプレイしていたことがうかがえます。

 次の上図はアトレティコマドリード(2019/10/26ビルバオ戦)の各プレイヤーの平均ポジション、下図はリバプール(2019/10/27トッテナム戦)の各プレイヤーの平均ポジションです。

 これらと比較すると、アーセナルはMFラインとFWの距離が遠く、MFとFWの間がぽっかり空いており、前線3人が孤立していたことがうかがえます。試合展開や戦術にもよるのでここから直ちに結論を導けるわけではないですが、この試合の(も?)アーセナルはMFとFWの距離が遠すぎたように思えます。

 よくエメリがトレイラを10番的に使うことが批判されますが、トレイラは相手の最終ラインとMFラインの間に潜り込むのが比較的うまい選手であり、セバージョスを含め他にそういったプレイが得意な選手が少ないためトレイラが10番的な役割で使われることが多いのかもしれません。

 今後、アーセナルの攻撃を活性化するためにはFWのいずれかが低い位置をとったり、MFのいずれかが高い位置を取るなどして、相手ライン間を有効利用することをが欠かせないと思います。


選手交代

 同点に追いつかれてからの61'にジャカをサカに代え、75'にティアニーをコラシナツに代えました。ジャカをサカに代えたのは攻撃的にするため、ティアニーについては怪我明けで3日前にもELにフル出場していたので大事をとらせたためと思われます。このように2枠は使ったものの、最後の1枠については使いませんでした。主なベンチメンバーはマルティネリ、ベジェリン、トレイラといったところで、誰と誰を交代させれば効果的かは確かに難しい判断ですが、チェンバースのクロスが正確性を欠いていた以上、交代枠を使わないよりはベジェリンと交代させても良かったのではないでしょうか。


総評

 とにかく、拙攻で攻める形ができていないです。しかも、速攻の精度が低いにもかかわらず 、速攻にこだわろうとするため無駄なロストが多いという印象です。オーバメヤンは足が速いと言われるものの、ドリブルは得意ではなく、ボールキープも苦手なのでロングカウンター向きの選手ではまったくないと思うのは私だけでしょうか。

 また、ライン間で受けれる選手も欲しく、ラカゼットがもっと下がるプレイを増やすか、ラストパスも期待できるセバージョスにもっとライン間に入り込むプレイを増やして欲しいところです。


 これで10試合終えて、4勝4分2敗の勝点16P、15得点14失点です。これはシーズン38試合だと、60.8P、57.0得点、53.2失点になるペースです。昨シーズンは、70P、73得点51失点でしたので、すべての面で悪化しているペースになります。厳しい状況であり、何か好転するきっかけが欲しいところです。

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