ライトファンから見たアーセナル

素人が偉そうにアーセナルの戦術を語ります

エメリ解任論の再燃(2019/10/21 シェフィールドユナイテッド戦)

 2019/10/21のシェフィールドユナイテッド戦は、前半に先制されると、点を奪うことができず、そのまま0-1で破れました。Understat.comによるxGは0.90-0.95でかろうじて勝りましたが、ほぼ互角でした。

 この試合、アーセナルは先制された後も得点できる気配がほとんどなく、ファンの間でエメリ解任論が再燃しだす結果となりました。


フォーメーション

 フォーメーションは上記のとおり、4-2-3-1でした。前節ボーンマス戦からはセバージョスに代わってウィロックがスターティングイレブンに名前を連ねました。これはロングカウンターを狙った際に、セバージョスよりドリブルでの推進力があるウィロックを選択したのだと思います。一方、ティアニー、ホールディングについては怪我から復帰してベンチ入りしているものの、スターティングイレブンからは外れました。ホールディングがスターティングイレブンに入らなかったことは、そもそもエメリが、ソクラティス、ホールディング、ダビドルイスの序列をどう考えているのか分からないので特別驚きではありませんでした。しかし、LBティアニーについては、大金で補強した選手で、ヨーロッパリーグで良いパフォーマンスを示していた上、現LBコラシナツは守備に難があるので、てっきり今節デビューするものと思っており、意外でした。コラシナツも最近守備が若干安定しているようにも思えますが、ティアニーをプレミアで見てみたいファンとしてはもどかしいところです。


守備戦術について

 一応、前線の選手は前からプレスをかけていましたが、最終ラインは低めでした。そのため、あまり効果的なプレスとは言えませんでした。ディフェンシブサードにおける守備は、4-4守備ブロックを作って守るわけではなく、4-2-3-1のまま4-2の守備ブロックでゴール前を固め、前線の選手が適宜プレスバックするという戦術だったと思います。


攻撃戦術について

 ボールを奪ってのカウンターとディフェンシブサードでパスを回して相手がプレスに出てきた裏のスペースを狙っての速攻を基本としていました。攻撃サイドは、Whoscoredによれば、右サイド43%、中央23%、左サイド34%でした。このように右サイドからのアタックが多かったものの、クロス精度は低く、クロスはぺぺが3/10、チェンバースに至っては1/8で得点には繋がりませんでした。


ゴールキックについて

 最近の試合ではゴールキックにおいてロングボールを選択することが多くありましたが、この試合ではショートパスによるゴールキックからのビルドアップに再チャレンジしました。5節ワトフォード戦までよりは多少良かった感はありましたが、うまくいかない場面の方が多かった上、1点を追いかける80分過ぎでもショートパスによるゴールキックを選択し、プレス回避で自陣からボールを運ぶだけで長い時間を浪費するのは不合理でした。

 グアルディオラがショートパスによるゴールキックを志向するのは、より確実なビルドアップと最終ラインの押し上げを狙っているからであるのに対し、エメリがショートパスによるゴールキックを志向するのは、相手に前がかりでプレスをさせ相手の最終ラインの背後にスペースを作って速攻を仕掛けるためだと思われます。しかし、レノを含めダビドルイスを除いた最終ラインのミドルレンジ、ロングレンジのパス精度が低すぎて、機能していないと言わざるを得ません。


選手交代について

 ウィロックを46'にセバージョスに代えたのは、押し込む展開でのクリエイティビティが欲しかったためだと思います。また、ジャカを69'にラカゼットに代えたのは、前線に起点を作るとともにより攻撃的な選手を増やすためであり、いずれも十分意図が感じられる采配でした。しかし、ぺぺを78'にマルティネリに代えたのは、やや疑問が残る采配でした。それまで、ぺぺは良い動きを見せており、一番可能性を感じさせるプレイをしていた上、ぺぺとマルティネリを交代してもチームとして攻撃的になるわけでもありません。失点しても勝点が0以下になるわけでもなく、1点取れば勝点1が取れるわけですから、マルティネリを入れるのであれば、コラシナツと交代で、サカをLB、ラカゼットとオーバメヤンの2ストライカーにするなどしてチームとして攻撃的にし、なんとしても点を取るんだという姿勢を示して欲しかったです。



エメリ解任論について

 当ブログは、元々、アーセナルのスカッドはそこまで強くはなく、選手の入れ替えも激しかったことから、エメリ解任については怪我人が復帰して、新戦力が馴染む中盤戦までは様子を見ましょうという立場です。一般的には、この試合でエメリ解任論がファンの間で再び強くなったと認識していますが、私は依然もう少し様子を見てみて良いのではないかという考えに変わりはありません。

 フットボールは能力が低い選手が勝敗に強く影響するスポーツと言われており、今節もアーセナルがスターティングイレブンにサカ、ウィロック、チェンバースらを起用せざるを得なかったことを踏まえれば、アーセナルが勝って当然のメンバーを擁していたとはいえないと思います(エジルがベンチにも入らないことについては、事情を知る由もないのでなんとも言えませんが、単なるエメリのプレイスタイルの好みの問題ではないような気がします。)。一方、シェフィールドユナイテッドは、チームとしてよくまとまっており、高いパフォーマンスを示していました。したがって、アーセナルのスターティングイレブンを考えれば、シェフィールドユナイテッドに敗戦するのは十分想定されるものです。アーセナルよりも遥かに戦力が充実したマンチェスターシティですら昇格組のノリッジに負けていますし、若手ないしバックアッパーを多数起用して簡単に勝てるほどプレミアリーグは甘くはないだけだと思います。

 ただし、エメリがかつて言った「1-0で勝つよりも5-4で勝ちたい」ってのは真実ではないと思います。私は5-4で勝つよりも1-0で勝って欲しい派なので構いませんし、ライバルにも内容を知られる記者会見で本心を述べる必要もないと思いますが、エメリに攻撃的なフットボールを期待した方(それが5-4勝利かは置いといて)がエメリに裏切られた感があるのはその通りだと思います。


 これで9試合終えて、4勝3分2敗の勝点15P、13得12失点です。これはシーズン38試合だと、63.3P、54.9得点、50.7失点になるペースです。昨シーズンは、70P、73得点51失点でしたので、失点数以外は悪化しているペースになります。なんとかもう少し頑張って欲しいところです。

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