ライトファンから見たアーセナル

素人が偉そうにアーセナルの戦術を語ります

フラム戦レビュー

 10月7日のフラム戦のスターティングイレブンは、


ウェルベック ラカゼット

イウォビ ジャカ トレイラ ミキタリアン

モンレアル ホールディング ムスタフィ ベジェリン

レノ


で、フォーメーションは442でした。


 エジルは、背中の痙攣で欠場、病気明けのオーバメヤンと延長交渉決裂報道のラムジーはベンチと、前節のワトフォード戦から前線は大きくメンバーが替わりました。

 試合は、ホールディングからのロングボールをラカゼットが競って、こぼれたボールをミキタリアンがラカゼットにパス、ラカゼットがイウォビ、イウォビがモンレアルに繋ぎ、モンレアルからのクロスをラカゼットがトラップして反転しながら強烈なシュートを放って先制。前半終了間際、モンレアルのパスミスから失点して同点となったものの、後半になると、ウェルベックが競ったボールを収めたラカゼットがエリア外からゴールを奪い、再びリードします。そして、ウェルベックに代わってオーバメヤン、イウォビに代わってラムジーが投入されると、自陣右サイド深くでボールを奪ったベジェリンからラムジー、ラムジーからラカゼット、ラカゼットからラムジー、ラムジーが相手と競りながらなんとかボールをラカゼットの方向へ蹴ると、ラカゼットがワンタッチでベジェリンへ、ベジェリンがとっさにヒールで浮かせると、ラムジーが2回のヘッドでミキタリアンに繋ぎ、ミキタリアンからオーバメヤンにスルーパス、オーバメヤンからのクロスをラムジーがヒールで合わせてゴール。チーム全体のボールを繋ごうとする執念と高いテクニックが合わさったエンターテイメント溢れる極上のゴールが生まれ、3-1となりました。そして、ミキタリアンがベジェリンへサイドチェンジのパスを通すと、ベジェリンのクロスをオーバメヤンがトラップして反転してシュートしてゴールを奪い、4-1。ラカゼットがグエンドゥージと交代し、試合終了間際、後方で回してたボールをジャカがラムジーに縦パスを通し、ラムジーのパスにオーバメヤンが抜け出してゴールを奪って、5-1となり、アーセナルが大勝しました。


 この試合ですが、ヨーロッパリーグのカラバフ戦の後半のように


イウォビ ジャカ トレイラ ミキタリアン

モンレアル ホールディング ムスタフィ ベジェリン


で4-4 のブロックを組んで組織的に守備をしていました。その結果、フラムにシュートこそたくさん打たれたものの、自陣でのミス絡みを除いては、崩された場面は少なく、非常に安定していたと思います。守備ブロックをきっちりと組むことがいかに重要であるかが明確になった試合だと思います。

 各選手のパフォーマンスですが、ラカゼットは同点の場面でそれほどのチャンスとは思えないところから二度もゴールを奪い、まさにストライカーという役割を果たしました。その上、守備でも体を張って効果的にプレスバックをして貢献しており、全体として最高級のパフォーマンスを発揮しました。

 また、途中出場のオーバメヤンも難しいシュートを決めたほか、スピードを活かした追加点など、短い時間に二つのゴールを奪って見せました。

 一方、モンレアルは連戦で疲れが溜まっているのか、失点に直結するミスなどやや精彩を欠きました。



各選手のレーティングですが、


ウェルベック 6

ラカゼット 9

イウォビ 6

ジャカ 6

トレイラ 7

ミキタリアン 7

モンレアル 5

ホールディング 6

ムスタフィ 7

ベジェリン 6

レノ 6


オーバメヤン 7

ラムジー 7

グエンドゥージ 6



 この試合については442が機能したという観点から論じられますが、私としては、442が機能したというよりもワイドにオーバメヤンとエジルを起用しなかったことが一番大きいように思います。

 右ワイドのミキタリアンは、ブロックの一角としてしっかりと右サイドをケアしつつ、攻撃時にはハーフスペースを使いつつ折をみて効果的に中央のスペースも使っていました。そして、左ワイドのイウォビも守備をきっちりこなしながら、攻撃時にはスプリントと巧みなドリブルで左サイドで存在感を発揮していました。これに対し、前節までワイドに配置されていたエジル、オーバメヤンは、守備ブロックに加わらない又は遅い上、攻撃面でも中央に偏りすぎてフィールドを広く使えておらず、効果的なプレイができていませんでした。この試合と比較すると、これまで多くの人が指摘してきたとおり、エジルとオーバメヤンのワイド起用は、守備面でも攻撃面でも効果的ではなく、やめた方がいいように思えます。また、ラムジーも途中出場で右ワイドに配置されると、ゴールという結果をすぐに出したものの、守備に戻ってブロックに加わるのは遅く、ラカゼットがそのスペースを埋めるという本末転倒な場面もあり、スタートからラムジーを右ワイドで使うのもリスクが大きそうです。 

 次に、二人のストライカーですが、この試合は442ではありますが、ラカゼットとウェルベックの攻撃時の役割からしてラカゼットを10番ロールとした4231と考えてもいいと思います。そして、個人的に4231の10番ロールはミッドフィルダータイプではなくフォワードタイプの方が機能すると思っているので、パス、守備もできるストライカーであるラカゼットを10番ロールに据えることは理にかなっており、今後もラカゼットをストライカー兼チャンスメーカーとして、オーバメヤンとラカゼット、ウェルベックとラカゼットのペアを使って欲しいです。

 なお、ウェルベックは、決定力が低く、単独のストライカーとしては難があるものの、そのスピード、フィジカル、高さでコントロールの甘いロングボールであっても収めることができるので、弱点である決定力不足を補えるラカゼットとストライカーポジションで同時起用されるのであれば、ハイプレスを徹底してくる相手などにはかなり魅力的なオプションになりそうです。本人も一つしかないストライカー枠の3番目には魅力は感じないでしょうが、二つある枠の3番目なら多少違うかもしれません。今後はウェルベックの契約延長がどうなるかに注目です。

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