ライトファンから見たアーセナル

素人が偉そうにアーセナルの戦術を語ります

カーディフ戦 レビュー

スタートは


ラカゼット

オーバメヤン、ラムジー、エジル

ジャカ、グエンドゥージ

モンレアル、パパ、ムスタフィ、ベジェリン

チェフ


の4231でした。


 オーバメヤン、ラカゼット、エジル、ラムジーが入り、イウォビが外されるまでは前投稿での予想どおりでしたが、もう一名外されたのは、グエンドゥージではなく、ミキタリアンでした。ミキタリアンが外されたのは、上記メンバーにミキタリアンを入れた場合の守備面のリスクを踏まえた判断でしょう。ただ、前節、前々節の右ウイングでのミキタリアンのパフォーマンスは悪くはなかったことからすれば、エメリにすればエジル、ラムジーを同時起用するための苦渋の判断だったと思います。


 試合内容ですが、序盤左からのジャカのコーナーキックにムスタフィが頭で合わせて先制しました(1-0)。その後もアーセナルが左サイドを中心に押し気味に試合を進めたものの、徐々にボールを自陣から前に進めなくなっていき、前半終了直前にはジャカのサイドチェンジのロングパスをカットされ、右サイドからのセンタリングから失点してしまいました(1-1)。後半になっても流れが悪かったものの、途中からエジルが中央後方から縦パスを入れていくつかいい形を作り始めると、エジルからの縦パスをラカゼットがワンタッチでオーバメヤンに落とし、オーバメヤンが遠目からカーブをかけた強烈なシュートを決めて勝ち越しました(2-1)。しかし、その後、カーディフに押し込まれ、立て続けにセットプレイのチャンスを与えると、フリーキックをヘッドで繋がれ失点してしまいました(2-2)。同点に追いつかれたところで、グエンドゥージに代わってトレイラが投入されると、アーセナルが押し込む展開が続き、トレイラがラカゼットに縦パスを通すと、ラカゼットがうまく前を向いて角度のないところから強烈なシュートを決めて勝ち越しました(3-2)。その後、アーセナルはエジルに代えてウェルベック、オーバメヤンに代えてミキタリアンを投入して守備を固め、逃げ切り、勝利しました。


 各選手のプレイですが、ワントップに入ったラカゼットは、自らゴールを狙うだけでなく、ワンタッチの落としや、身体を張ったキープなど多彩な動きでチャンスを広げ、結果も一得点一アシストと大活躍しました。

 また、途中出場のトレイラは、的確なポジショニングで相手のカウンターの芽を摘み取りました。カーディフが同点とした直後というのもありますが、トレイラが入った途端にアーセナルがカーディフを押し込む展開が続きました。そして、ラカゼットの決勝点のアシストとなった縦パスを含めいくつか良いパスを出しており、素晴らしいパフォーマンスでした。

 左ウイングに入ったオーバメヤンは、ボールを触る機会が少なかった上、左サイドでボールを持ってもドリブルができるわけでも、良いパスを入れられるわけでもなく、存在感は希薄でした。しかし、後半中盤にスーパーゴールで勝ち越し弾を決めており、ストライカーとしての存在価値を示しました。

 ムスタフィは、コーナーから先制弾を決めたほか、その後もコーナーキックにおいて相手にたびたび競り勝ち、脅威となっていました。また本職の守備でも目立ったミスはなく安定し、ビルドアップもパパスタソプーロスとチェフが危ないパス回しをする中で、無難にこなしていました。

 一方、右ウイングに入ったエジルは前半全く存在感がありませんでした。後半途中から中央三列目あたりから良いパスを何本か出すようになり、オーバメヤンのスーパーゴールの起点になりました。この時間帯のエジルは印象的だったものの、そもそも右ウイングに入ったエジルにはもっと自らゴールに向かうプレイや右サイド深くを攻略するプレイも求められたと思いますし、ベジェリンとの連携もいまいちで、守備においては標準レベルに達しておらず、全体的にみればパフォーマンスが高くはありませんでした。


採点は以下のとおりです。

ラカゼット 8

オーバメヤン 7

ラムジー 6

エジル 6

ジャカ 5

グエンドゥージ 6

モンレアル 5

パパ 5

ムスタフィ 7

ベジェリン 5

チェフ 5


トレイラ 8

ウェルベック 6

ミキタリアン 6


 采配についてですが、エジルを右ウイングに配置したものの、飛び出しがない上、中央に寄るばかりで、相手をサイドに引きつけるわけでも、かといって右バックのベジェリンと連携をとってベジェリンに右サイドをえぐらせるわけでもなく、あまり機能していないように思えました。エジル、ラムジーのどちらかを10番ポジション、どちらかを右ウイングに入れるのであれば、エジルを10番ポジションにしてラムジーを右ウイングにした方がまだ両者の適性に合っている気がします。後半途中からエジルは中央後方から良い縦パスをいくつか通していましたが、それはトレイラがラカゼットに縦パスを通してアシストしたように本来セントラルミッドフィールダーの役割です。右ウイングのエジルが後方から良い縦パスを入れても、本来前線にいなければならないエジルがいないため、マークは分散されていない上、前線に厚みもなく、そこから得点に繋げるのは容易ではないと思います。昨シーズンは、エジルが下がってもラムジーが上がったため、前線に厚みが保たれていました。しかし、これではエジルは守備をしないし、ラムジーは守備に戻りきれず、問題がありました。そのため、エジルが今のオフェンススタイルを変えるつもりがないのであれば、エジル自身がもっと守備で闘って、三列目の攻撃的な役割をこなさせるようになって欲しいと心から思います。そうなれば、ラムジー、ミキタリアンとの同時起用問題は、一気に解決されます。しかも、エジルの広い視野、正確な中距離パス、低リスク思考は攻撃的な三列目にこそマッチしていると思います。本人さえその気になって守備で走って闘うようになれば、再び世界屈指の選手との評価を受けられるようになれると私は思うのですが、どうでしょうか。


 エジルに限らず、より守備的なポジション、中央からサイドへのコンバートは、選手のこだわりやプライドなどもあり、そう簡単にはいかないことは分かっています。エメリには、選手の不満を募らせて選手の離反を招くようなことがないように気を付けつつ、今後も現在の偏った選手層を最大限有効活用できるようなシステムを探していって欲しいです。

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